株式相続の恐ろしい結末・・・
不動産管理業と飲食事業をメインとするA株式会社を経営するPさん。
自身が高齢なのもあって、2人の子供に事業に参画してもらおうと考えていました。
もともと不動産会社に勤務したことのある長男は不動産管理事業を手伝い、人付き合いの良い長女は飲食店を手伝うことになりましたが、その矢先、Pさんが他界。
相続人はこの2人の子供だけだったため、それぞれ喧嘩しないように50%ずつの相続を行いました。
当然会社の株式も50%ずつ相続したのですが、それが今後とんでもない事態を引き起こすとは、この時は誰も予想できませんでした・・・
喧嘩しないように50%ずつの株式相続が・・・
Pさんから引き継いだ飲食事業、実は赤字経営でした。
会社の経営方針としては飲食事業からの撤退をすべきかどうかで、論争が始まったのです。
飲食事業はやり方を変えれば必ず黒字転換すると主張する長女に対し、そんな金があったらもう1棟収益物件を買った方が経営は安定すると主張する長男。
どちらの言い分も、現時点では正解ではないが不正解でもない。
この会社の取締役は長男と長女。株式は50%ずつ。
実はこの状態、完全に泥沼化した状態。いわゆる、詰んだ!という場面です。
この状態マジでやばいかも・・・
法律上「取締役の過半数の出席が出席し、その過半数をもって決する」ことになっているので、全取締役2名が完全に意見を割った場合、会社の運営方針が何も決まらない!という非常にまずい状況になります。
だったらどちらかの取締役を解任すればいいんじゃないか?と思いますが、解任は株主による株主総会で決めることになるのですが、株主が2名のみで、各50%ずつの保有割合の場合で、しかも株主の意見が真っ向から対立している場合、法律上、解任決議までこぎ着けるのは至難の業です。
はてさて、一体この会社の行く末はいかに・・・